ラーメンズ『home』より「無用途人間」

~この台本を使用する際のルール~

・これは、コントグループ”ラーメンズ”の作品です。

・上演の前後や熱量の度合いについては問いませんが、下記配役表に記載されているリンク先の動画並びにYouTubeの公式アカウントのプッシュをお願いします。動画で得られる広告収入は日本赤十字社を通じ寄付されます。

以上



声劇”ラーメンズ『home』より「無用途人間」”

作者:ラーメンズ / 青木 ××

鈴木:

佐藤:

URL(YouTube): https://www.youtube.com/watch?v=f0xPUeti-i4




鈴木M「この世界の人間には、それぞれの用途がある。誰もが何かしらの専用人間なのだ。ところが、ここに用途のない人間がいた。その無用途人間に、伝達用人間が用途を伝えにくる」


鈴木「おい、無用途人間の佐藤一夫だな」

佐藤「はい」

鈴木「伝達用人間の鈴木です」

佐藤「はあ」

鈴木「今日はあなたに用途を伝えに来ました」

佐藤「えっ、こんな無用途人間の私に、使い道をいただけるんですか」

鈴木「そういうことです」

佐藤「ありがとうございます」

鈴木「ではまいります。このカードを渡された瞬間より、あなたの用途は”伝達”になります。下記の条件に該当する人間に、このカードを渡してください」

佐藤「はい、わかりました。伝達用人間佐藤一夫、一生懸命頑張ります。あー、しなきゃいけないことがある!」

鈴木「あー、しなきゃいけないことがなくなってしまった」


佐藤「おい、鈴木太郎二十九歳だな、伝達用人間の佐藤です。今日、あなたに用途を伝えに来ました」

鈴木「えー。こんな無用途人間の私に、使い道をいただけるんですか」

佐藤「そういうことです」

鈴木「ありがとうございます」

佐藤「それではまいります。このカードを渡された瞬間より、あなたの用途は”伝達”になります。下記の条件に該当する人間に、このカードを渡してください」

鈴木「はい、わかりました。伝達用人間鈴木太郎、一生懸命頑張ります。あー、しなきゃいけないことがある!」

佐藤「あー、しなきゃいけないことがなくなってしまった」


鈴木「おい、佐藤一夫三十一歳だな、伝達用人間の鈴木です。今日、あなたに用途を伝えに来ました」

佐藤「えー。こんな無用途人間の私に、使い道をいただけるんですか」

鈴木「そういうことです」

佐藤「ありがとうございます」

鈴木「ではまいります。このカードを渡された瞬間より、あなたの用途は”伝達”になります。下記の条件に該当する人間に、このカードを渡してください」

佐藤「はい、わかりました。伝達用人間佐藤一夫、一生懸命頑張ります。あー、しなきゃいけないことがある!」

鈴木「あー、しなきゃいけないことがなくなってしまった」

佐藤「おい、鈴木太郎二十九歳だな」

鈴木「(いい声で)いいえ」

佐藤「(焦って)いや、そんなはずはない。無用途人間の鈴木太郎二十九歳だろ?」

鈴木「いいや、私は飛行用人間のクリストファー・レイモンドですけど」

佐藤「大変だあー。早く、しなきゃいけないことをしなきゃ。どこだー! 無用途人間、鈴木太郎どこだー!」

鈴木「(なおもいい声で)……ふうっ。私の本来の用途は”しなきゃいけないこと”という生きる希望をあなたから奪わないために、必要な嘘をつくこと、そう、私は”親切からでた嘘つき人間、鈴木太郎”だったんですよ。(普通の声で)あー、しなきゃいけないことがなくなってしまった」


佐藤「あー、いたいたいた。伝達用人間佐藤です。今日はあなたに……お礼を言いに来ました」

鈴木「えっ?」

佐藤「私のために、親切からでた嘘をついてくれて、ありがとうございました。……あー、しなきゃいけないことがなくなってしまった」

鈴木「あー、つかなきゃいけなかった嘘がばれてしまった」

佐藤「あー、この人から、しなきゃいけないことを奪ってしまった」

鈴木「すいません! 誰か私たちに」

二人「しなきゃいけないことをください!」



〈FIN〉





この台本は、小林賢太郎・著「小林賢太郎戯曲集 home FLAT news」に掲載されている”home”の”無用途人間”を書き写し、声劇に用いる際に違和感のないように付け足し・差し引きをしたものです。YouTubeの公式アカウントにより投稿されている”ラーメンズ『home』より「無用途人間」”を書き起こしたものではありません。ご了承下さい。

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作成日時:2019/06/01/12:30


青木 ××の言葉

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